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ペットロスとは?症状や対応、立ち直るためにできること

皆さんはペットロスという言葉を聞いたことがあるでしょうか?家族のように可愛がっていたペットが旅立ってしまい苦しく、悲しい、何もやる気が出ない、そういう風に感じている方がたくさんいると思います、それがペットロスなのです。そんな悩みをかかえている方や、ペットロスになっている家族や知人がいる方へ向け、立ち直るためのお手伝いをできるような情報をまとめました。

ペットを飼うということ

コロナ渦の影響により自宅で過ごす時間が増えたため、ペットを飼い始めた方も多いとは思います。悲しいですが、人間と同様にどんな生き物でも、いずれ終わってしまう日が来るのです。小さくて愛らしい子猫や子犬を最近飼い始めた方からすると、今はまだ考えたくないような、避けたい話題かと思います。しかしペットを飼うということは唯一無二の生き物を育てるということ、つまり大きな責任が伴うということなのです。どんなに大きな生き物小さな生き物も、みんな命あるもので、いずれ別れなければならない時が来る、だからこそ一度想像してみて欲しいのです。そして後悔がないように大好きなペットと時間を過ごして欲しい、もしくは愛するペットがいなくなり精神的に辛い思いをしている人がいれば手を差し伸べて欲しいのです。

ペットロスとは?

さて、前置きが長くなりましたが、ペットロスとはどういう状態を指すのでしょうか?日本語に直訳するとペットを失うことで、ペットロス症候群といいます。ペットがいなくなってしまったことにより、精神的苦痛、身体的苦痛を発症することです。全ての人が発症するわけではありませんが、喪失感や虚無感などの気持ちの面でのダメージが大きすぎるあまり、体調に不調を来たす方もたくさんいます。

ペットの死後、8割から9割の方がペットロスを経験し苦しい思いをしたそうです。一人暮らしでもペットとして小動物や猫などを飼っている人も多く、パートナーのような存在になったりと、近年ではペットの役割は以前と比較し大きくなっています。癒やしを与えてくれるのみではなく、それが精神的安定や生きがいに繋がり、家族の一員のような大きな存在になっている、そんな愛するペットを飼っている人であれば誰でも引き起こす可能性のある症候群だと言えるでしょう。

具体的にどんな症状があるの?

ペットロス症候群による症状にはもちろん個人差がありますが、代表的な例を精神的なものと身体的なものに分け、まとめました。

精神的症状:虚脱感、不安を感じる、無気力、落ち着かない、パニックになる、悲観的、疲労感、罪悪感を感じる、孤独感を感じる、何事にも関心が乏しくなる、幻覚、妄想など

身体的症状:めまい、涙が止まらない、涙が勝手にあふれてくる、不眠、食欲不振、嘔気、摂食障害(過食症、拒食症)、胃潰瘍など

ここまで上げたように様々な症状がありますが、ペットロスから立ち直ることができず、このような症状が持続し悪化していくと、重症化する可能性があり、うつ状態になりうつ病やアルコール依存症などの疾患を引き起こすこともあります。ペットが亡くなっただけだと軽く考えるのは良くないかもしれませんね。

立ち直るためにはどうすれば良いの?

ペットロスという言葉は最近でこそ、良く聞かれるようになってきましたが、その実態を知らない人の方が多いのではないでしょうか?それゆえ、軽視されがちなのかもしれません。家族同然だったペットがいなくなり、激しい悲しみが残り、何に対してもやる気が出ない、しかしその状態をそのままにしておくのは危険です!重症化すれば他の精神疾患などを発症することもあるため、その状態を克服することが重要になってきます。

自身で自分の感情をコントロールしたり、前向きになれるよう行動を起こすことのできる方もいるかもしれませんが、中には誰かの助けが必要な方もたくさんいるのです。亡くなってしまったペットたちもきっと飼い主さんのそんな姿をずっと見たいわけではないと思います。ではペットロスを克服し、前を向いていくには、どのように対応すればよいのでしょうか?

①無理に立ち直ろうとしない

落ち込んだ状態が続くのはよくないのに、無理に立ち直ろうとしないって矛盾しているように感じますよね。しかし、心が悲しくて仕方ないのに、その感情に蓋をすることは自分を押さえつけ、自分に嘘をついてしまっていることと同じです。大切な家族がいなくなってしまい、悲しくて涙が出るのは当たり前のことなのです。まずは、たくさん泣いて、たくさん落ち込みましょう。そうしていくうちに時間が過ぎ、少しずつペットの死を受け入れ、心は落ち着いてきます。

②話をする、聞いてもらう

なんとか死を受け入れることができ、気持ちが落ち着いたら、大好きだったペットの話をしてみましょう。しかし残念なことにペットに関する価値観は人により様々で、特にペットを飼ったことがない人にとっては共感することが大変難しい話題でもあるので、可能であれば、同居している家族や同じようにペットを亡くした経験のある知人などと話してみるとよいでしょう。

周りに共感してもらえる人がおらず、吐き出せないという方には、近年ペットロス専門の電話相談所があります。有料なところが多いですが、自身もペットを亡くした経験があるというペットロスカウンセラーの方がやさしくあなたの話を聞いてくれます。誰かに話をすることで、心や頭が整理されていき、さらに心身ともに落ち着かせることができるでしょう。愛するペットと過ごした幸せな日々をしっかり思い出として受け入れることのできる第一歩になるかもしれません。

③気分転換をする

自宅にいても、もういないペットの姿を知らず知らずのうちに探してしまい辛いという方には気分転換行動をすることをおすすめします。趣味に没頭したり、中には意識的に仕事に集中される方もいます。旅行などでリフレッシュしたり、負担がなければ動物カフェを利用するのもいいかもしれません。

何もぜずぼーっとしてしまうとネガティブなことを考えてしまう方はそういう風に行動をうつしてみるのはいかがでしょうか?これもケースバイケースではありますが、もちろん時間が解決してくれることもあります。時が経ち、前向きになったときにペットの持ち物や写真などを整理して、思い出として記念に残し、大好きなペットに出会えたことに感謝して、供養してあげるのもよいでしょう。

周りにペットロスになっている人がいたら?

自分では感情が切り替えられず、ペットロスから立ち直るのが難しい方もいます。そんな家族や友人がそばにいたら、勇気を出して手を差し伸べてあげてください。そして、その方の話を傾聴して共感してあげてください。簡単そうに聞こえますが、実は容易なことではありません。

同じような経験をした人だと共感し話を聞いてあげることができますが、ペットを飼った経験がない場合は、共感し傾聴することは難しい場合もありますよね?そんな方は、少し無理があるかもしれませんが、一度自分の身に置き換えて考えてみるのはどうでしょうか?自分のとても大切にしている人や物がいなくなってしまった、そう想像してみるとペットロスになっている人の気持ちが少し分かるかもしれません。

そして、少し元気になってきたら一緒に気分転換してあげたください。散歩でも運動でも買い物でも旅行でも何でもいいです。症候群に陥っている人のなかには、自分一人では腰を上げることがおっくうでも、誰かに手を引いてもらえれば、一歩踏み出すことのできる人もいます。まずは何事も理解しようとする姿勢が大切ですね。

悲しみから立ち直ったら、素敵な思い出にしてあげよう

さて、今回はペットロスについてや克服方法などを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?今までそのような経験をしたことがある人もそうでない人も、ペットロスとは何か、なってしまった時はどんなことが必要なのかなど、少しでも分かって頂けたら嬉しいです。そして現在苦しんでいる方、大好きなペットの死を受け入れるのに時間はかかるかもしれません。

そしてその時間は苦しいものかもしれませんが、それはあなたにとって大切なペットがそれほど大きな存在だったということです。悲しくて涙が止まらないのは、おかしいことではありません。当たり前のことです。苦しくてなかなか立ち直れない方は、一人で悩まないでください。あなたと同じ気持ちを経験した人もいます、あなたは独りぼっちではありません。そして、周りにペットロスで悩んでいる人がいるという方は、ぜひ今回の記事を参考にして考えてみてくださいね。