爬虫類は他の動物と違って、初心者には飼育が難しいと言われています。それでも爬虫類にはっ爬虫類しかない魅力がありますよね。どうしてもあの子達を愛でたいんだ!という爬虫類好きの方に、比較的飼育しやすい爬虫類と、彼ら/彼女らの飼育に必要なものをご紹介します。責任を持ってお世話し、楽しい爬虫類ライフを送りましょう!
爬虫類飼育は初心者向け?そもそも爬虫類ってどんな生き物?
学生の頃に生物の授業で散々きかされた方もおそらくいらっしゃるであろう「界・門・綱・目・科・属・種」。なんの呪文かと思いきや、生物を分類する時の階級名でした。そして今回の主役・爬虫類は、爬虫綱というグループとして一般的に認識されています。
そこから、有鱗目(ゆうりんもく)、ワニ目、カメ目、ムカシトカゲ目の4つに分けられるそう。そしてまた「科」・「属」にグループ分けされ、最後には「種」です。さらに近年では、爬虫綱の中に鳥類(綱)を含めるという考え方があるらしいのです。少し難しい話になってしまいましたが、ひとつ言えることは、爬虫類の分類は奥が深いということですね。
爬虫類の特性や特徴とは
それはさておき、今回は爬虫類を「飼育」することがメインなので、彼ら/彼女らの特性や特徴について知っておきましょう。まずはじめは、パッと見るだけでわかって頂ける特性。
- 四脚歩行(ヘビのように退化または進化して消失したものもいる)
- 体が鱗で覆われていること
- 卵からうまれること
- 私たち人間と同じ肺呼吸をする
- 環境の温度に左右される、変温動物である
という点です。爬虫類は自分で体温調節をすることができないので、飼い主さんがしっかりと温度管理をしてあげなければなりません。これが、爬虫類の飼育が難しいと言われている原因の1つでしょう。でも大丈夫です。そんなに構える必要はありません。後ほど、「爬虫類に必要な飼育グッズ」のセクションで改めてお話します。
参考ウェブサイト:https://study-z.net/33086
初心者が安心して飼える飼育しやすい爬虫類たち!
では続いては、初心者でも比較的飼育しやすい爬虫類を見ていきましょう!初心者の方でも飼育しやすい、おすすめの爬虫類である『ヤモリ』、『ヘビ』、『カメ』、『トカゲ』の4種類を解説します。カメレオンは費用も手間もかかり、初めて爬虫類を飼う方には難易度が高いと思うので、今回はカメレオン以外の爬虫類たちを紹介させて頂きます!爬虫類好きの方もそうでない方も一度ご覧ください!
飼育におすすめの爬虫類①『ヤモリ』
ヤモリは、害虫を食べて、家を守ってくれることから「家守(ヤモリ)」と名付けられました。主食はコオロギやデュビア等の小さい昆虫です。一般的にはまぶたがないことや、壁に張り付くこと、夜行性であることなどが特徴です。
<ヒョウモンモドキトカゲ>
トカゲなのかヤモリなのか、ややこしい名前をしたこがいます。まぶたがあり、壁に張り付かず、ヤモリではなくトカゲに似た特性がある「トカゲモドキ」。通称「レオパ」とも呼ばれています。
体が丈夫で、比較的大人しいことから、爬虫類初心者や女性にとても人気があります。カラーバリエーションも豊富で、魅力的な体表に癒されること間違いなしです!
【基本情報】
名前 | ヒョウモンモドキトカゲ |
体長 | 約20〜25cm |
寿命 | 約15年(3) |
エサ | 口に入るサイズの昆虫(コオロギやミールワーム、シルクワームなど)(2) |
販売価格 | 5,000円〜15,000円(3) |
参考ウェブサイト:https://www.kohnan-eshop.com/shop/e/eleopa/#
<ヨツメヒルヤモリ>
まんまるい目に綺麗な体色が自慢のヨツメヒルヤモリ。前足の付け根あたりに黒い斑点が”目”に見えることから、ヨツメ(4つの目)ヒルヤモリと名付けられました。他にも、名前に”ヒル”が入っている通り、ヤモリには珍しい昼行性です。
昼行性のヤモリを飼育する時は、日光浴をさせる必要があります。なので、紫外線ライトかバスキングライトを必ず設置しましょう。詳しくは下記の参考ウェブサイトをご覧ください。
基本情報
名前 | ヨツメヒルヤモリ |
体長 | 9〜12cm |
寿命 | 5〜10年 |
エサ | コオロギや昆虫ゼリー |
販売価格 | 5,000円〜20,000円(3) |
参考ウェブサイト:https://woriver.com/9154/
参考ウェブサイト:https://petpedia.net/article/146/reptiles_ranking#toc-111
飼育におすすめの爬虫類②『ヘビ』
ヘビは種類や個体によっては大人しいヘビが多く、エサやりの回数が少ないので、実は飼育しやすい爬虫類なんです。肝心のエサですが、冷凍マウスといった哺乳類になってきます。抵抗がある方はヘビの飼育は難しいかもしれません。
<セイブシシバナヘビ >
横からみると鼻がチョンと高くなっており、真正面からは愛嬌のある顔を見せてくれます。性格も大人しく育てやすいので、今人気が高まっているヘビの1種です。
「可愛い顔には毒がある」と言いますが、その通り、セイブシシバナヘビは唾液に微弱な毒を持っています。命に関わるほどではない量・強さですが、長時間咬ませていると、皮膚に異常が現れたり、二次感染に繋がる恐れがあります。素手でスキンシップを行うのはなるべく控えた方が良いかもしれません。
基本情報
名前 | セイブシシバナヘビ |
体長 | 50〜65cm |
寿命 | 約15年 |
エサ | マウス、カエル、ラット |
販売価格 | 20,000円〜100,000円(4) |
参考ウェブサイト:https://repiew.jp/knowledge/how-to/western-hognose-snake/
<ボールニシキヘビ>
外敵から身を守る時に丸くなることから、名前に「ボール」が付けられました。英名Python regius(パイサン レジアス)のregiusは、ラテン語で華麗な、素晴らしいという意味があります。太い胴体にエキゾチックな模様、赤外線感知器官(ピット器官)が備わっている等、本当に「素晴らしい」特徴を持っていますね。
どっしりとした見た目とは打って変わって、性格は臆病でやや神経質だと言われています。環境変化に敏感なので、与えたエサを拒絶することもあります。それでも温厚な性格とスキンシップもし易いことから、初心者でも安心して飼育できる爬虫類です。
基本情報
名前 | ボールニシキヘビ(別名:ボールパイソン、ロイヤルパイソン) |
体長 | 110〜115cm |
寿命 | 約20年 |
エサ | マウス、ひよこ |
販売価格 | 8,000円〜100,000円 |
参考ウェブサイト:https://www.weblio.jp/content/Regius
飼育におすすめの爬虫類③『カメ』
子どもにも人気のあるカメ。陸上ではのんびりとした動きに、水中では足をパタパタと動かしている姿は非常に愛らしく、見ているだけで癒されますよね。
「鶴は千年、亀は万年」といった言葉がある程、昔から鶴もカメも長寿で縁起が良い象徴です。実際に100年以上生きる個体が発見されているそうです。 なので、ペットとして迎え入れる前は、10〜30年はお世話することを覚悟しておきましょう。
<クサガメ>
丈夫で寿命が長い半水棲カメのクサガメ。名前から臭いのかな?と思われますが、全くその通りです。しかし常に異臭を放っているわけではなく、身の危険を感じた時だけです。それでこの名前を付けられては、なんだか不憫な気もしますね。
クサガメは、基本的に1日の大半は水の中で過ごします。食事も飲水も排泄も、全て同じ水で行うので1〜2日に1回は水槽の水換え を行いましょう。
基本情報
名前 | クサガメ(別名:ゼニガメ※幼体ver、キンセンガメ、リーブスクサガメ ) |
体長 | 15〜30cm |
寿命 | 30〜60年 |
エサ | 人工飼料、エビ |
販売価格 | 1,000円〜2,000円(4) |
参考ウェブサイト:https://petpedia.net/article/476/chinese_pond_turtle
<ミスジドロガメ>
手足を引っ込め殻に閉じこもれるドロガメ。名前の通り甲羅に黄色っぽい3本のスジが入っており、シンプルな背甲によく合っています。成長すると、そのスジは不明瞭になったり消えてしまうのが少し残念。
こちらも半水棲のカメで、陸上でも水中でも飲食を行います。ミスジドロガメに限らず、水中で生活する水棲ガメの水槽は、こまめな手入れが欠かせません。何でもよく食べる雑食性ですが、巻貝は好んで食べるそうです。
基本情報
名前 | ミスジドロガメ |
体長 | 最大で13.8cm |
寿命 | 最大で50年 |
エサ | カメ用人工飼料 |
販売価格 | 1万円前後 |
参考ウェブサイト:https://spin1011spin.com/misujidorogame/
飼育におすすめの爬虫類④『トカゲ』
トカゲは他の爬虫類と比べると、少し手間と費用がかかるトカゲ。ヤモリ(トカゲモドキを除く)と違ってまぶたがあり、壁に張り付くことはできません。その代わり、地面を速く走るために鋭い爪が足に備わっています。生命活動は日中に行い、天気の良い日は日向ぼっこを楽しんでいます。
<フトアゴヒゲトカゲ>
気持ちが昂った時に、口を開けて敵を威嚇する様子からこの名前が付けられました。全身に柔らかいトゲがあり、少しいかつく見えなくもないですが、実は温和で人慣れしやすいです。スキンシップがしやすいのは嬉しいポイントですね。
1日に12時間は紫外線を浴びさせ、ビタミンD3の合成を助けてあげましょう。適正なライトの選び方や設置法は下記の参考ウェブサイトをご覧ください。
基本情報
名前 | フトアゴヒゲトカゲ |
体長 | 40〜50cm |
寿命 | 10〜15年 |
エサ | 野菜、昆虫、ペレット、ゲル |
販売価格 | 10,000円〜30,000円 |
参考ウェブサイト:https://www.kohnan-eshop.com/shop/e/ebearded/#bearded03
<トゲオアガマ>
ずんぐりむっくりで可愛らしい見た目のトゲオアガマ。人に慣れやすいことと、ぽってりとしたお腹が女性人気を集めています。
主食は野菜や花ですが、昆虫も喜んで食べます。なので、エサやりに苦戦することはあまりなさそうですね。性格も非常におっとりとしており、動きもゆっくりなことから、ハンドリング(触ったり、持ったり、遊んだりと、生体と飼い主が身体的接触を行うこと)も可能そうです。ただし、生体にストレスにならない程度と時間でですが。
基本情報
名前 | トゲオアガマ |
体長 | 30〜75cm←亜種によって異なる |
寿命 | 10〜20年 |
エサ | 緑黄色野菜、花(タンポポや食用菊)、昆虫 |
販売価格 | 20,000円〜100,000円 |
初心者の方は必見!爬虫類飼育グッズ!
爬虫類飼育に必要なものは種類によって異なります。しかし全ての爬虫類に共通している絶対的必須グッズもあります。今回はそのような共通グッズを7つご紹介していきます。
爬虫類飼育グッズ①ケージ
まずは、生体の安全と脱走予防のためのケージが必要です。大きさは広ければ広い程、温度調節がし易い、成長しても買い換える必要がない等のメリットがあります。小さな個体であっても、特性(例:よく動き回る)や成長した時を考えてケージの大きさを選びましょう。
他にも、最初の方で紹介した通りに爬虫類は変温動物です。ヒーターやサーモスタット等の温度を上昇・保持するアイテムは必須になってくるので、設置するスペースがあるものを選びましょう。また、ヘビ以外の爬虫類には紫外線ライトが必要になってきます。そのスペースも併せて確認しておくことをおすすめします。
爬虫類飼育グッズ②エサ(+添加剤)
同じ爬虫類であっても、種類によって食べるものは異なります。ヘビのようにマウスやひよこといった哺乳類を食べるこたちもいれば、トカゲのように昆虫、野菜を食べるこたちもいます。それぞれの個体に合ったエサを選びましょう。
また、人工飼料だけだと栄養が偏ってしまうので、添加剤で栄養を補ってあげましょう。栄養失調は成長の妨げや体調不良を起こしかねませんので注意が必要です。添加剤の大部分はパウダー状でエサに振りかけられる手軽なものです。
爬虫類飼育グッズ③ヒーター・サーモスタット
爬虫類は変温動物であることに加えて寒さにも弱いです。陸上だけでなく、水中もヒーターで温めてあげましょう。しかし、ただ温めるだけではいけません。サーモスタットは、生体の最適な温度を保つ働きをしてくれ、昼夜の微妙な温度差を再現してくれます。他にも、寒い冬には最適な暖かさを保持する空間作りに役立ちます。
爬虫類飼育グッズ④バスキング・紫外線ライト
どちらも太陽光を擬似的に表現し、日向ぼっこスポットを作ってあげるものです。紫外線は生体の食欲の増進や脱皮の促進、ビタミンD3の体内合成等の働きをしてくれます。夜行性の生体(ヘビやほとんどのヤモリ)にはあまり必要ないですが、トカゲやカメには必要不可欠です。
爬虫類飼育グッズ⑤水やエサをあげるお皿
水は難しいかもしれませんが、エサはどのくらい食べたかを把握できます。その日の生体の体調を知ることができ、体調管理がしやすくなります。とはいえ、容器は何でも良いわけではありません。生体の大きさに合わせてあげないと、容器の中に嵌ってしまうこともあります。
爬虫類飼育グッズ⑥シェルター
建物(ケージ)の中にまた建物(シェルター)が必要なの?と思われるかもしれませんが、爬虫類だけでなく私たちにも自分だけの安息の場所が必要です。シェルターは「自分の部屋」に似ているかもしれません。精神面だけでなく、身体的にも良い効果があります。過剰な紫外線を浴びなくて済むことや、産卵場所になる、脱皮の手助けになることもあります。
爬虫類飼育グッズ⑦底床(ていしょう)
大抵のケージはプラスチックかガラスで構成されています。そういった素材だと爬虫類にとっては滑りやすく、足を踏ん張って前に進めません。底床は3つソイル系(左)、チップ系(真ん中)、マット系(右)の3種類があり、滑りやすさを軽減してくれます。
どんな種類が良いかは、飼っている/飼おうとしている個体に合わせて選びましょう。他にもメリットとして、保温効果や排泄物がとりやすくて清潔に保てる、何よりも見栄えが良い等が挙げられます。
参考ウェブサイト:https://shopping.geocities.jp/chanet/archives/docs/reptiles/
爬虫類を飼育して共に楽しく生活を!
初心者の方でも飼育しやすい爬虫類8匹と、飼育に必要なグッズを7つご紹介しました。爬虫類好きの方はますます興味が湧いたのではないでしょうか?変温動物であること以外に、太陽の光が必要不可欠であったり、慎重な性格ではあるものの意外と人間に慣れやすかったりと様々な特徴を持っています。他の生き物にも当てはまりますが、爬虫類の飼育をしたいという方はしっかりと調べて上で万全の準備をし、迎えてあげましょう。この記事を通して彼ら/彼女らの魅力を改めて、感じて頂くことができたら幸いです。そして、迎え入れたからには最後まで、責任を持ってお世話してあげましょう。神秘的かつ可愛らしい爬虫類と楽しい生活を!