ヘルシー食生活

【高齢者の方向け】少量でも高カロリー&高タンパクな優秀食材!

高齢者向けタンパク質

高齢者の方にこそタンパク質は必要なんです!70代のみなさん、日々もりもり美味しく食事できていますか?中には、「年を重ねるごとに、食が細くなってきてしまっている」「健康のために、もっとしっかり量を食べて栄養を摂りたいのに…」と、毎日の食事に関してお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

「年齢とともにあまり量を食べられなくなったけれど、健康のために栄養をしっかり摂りたい!」そんな願いをお持ちの70代の方に向けて、このページでは、高齢の方に必要なタンパク質の役割と摂取量の目安、タンパク質やカロリーを多く含んでいる食材をご紹介します。

また最後には、食の細い高齢者におすすめの、コンビニなどで手軽に購入できる、少量で高カロリー・高タンパクな食べ物もご紹介します!元気にシニアライフを過ごすためのヒントとして、ぜひご覧ください。

高齢者向けタンパク質

意外と多い!高齢者に必要なカロリーとタンパク質

20代や30代の頃と比べると、70代が1日に必要とするカロリーはご想像の通り減ります。ところが意外にも、5〜60代が1日に必要とするカロリーと70代のそれを比較すると、実はあまり大きな開きはないのです。例えば、1日のほとんどを座って過ごすわけではなく、立ち作業や通勤、買い物、家事、散歩など軽い運動をしている人に必要な1日のカロリーを見てみましょう。

年齢と共に食べる量が減ってきたという70歳以降の高齢者の方にとっては、少量でも栄養価の高い食べ物が重宝されることになりますね。

ただやはり、「高カロリーな食べ物なら何でもOK」というわけでもありません。高齢者の方にとって必要な栄養素が含まれた食べ物を普段の食事に取り入れるのが、より好ましいですね。その栄養素の中で今回主に取り上げるのが、タンパク質です。「タンパク質は5〜60代に対して70代でも同じ量の摂取が必要」という声もあります。そのタンパク質が必要なワケを、次にお伝えします。

引用元:グルメノート「1日の摂取カロリーを年齢別に一覧で紹介!基礎代謝の計算方法も!」(2018年9月8日公開)

高齢者向けタンパク質

高齢者の方は必見!タンパク質の役割とは?

タンパク質の主な役割は、筋肉・骨・血液といった、人の体を構成し動かす要素の材料となることです。タンパク質は毎日体内で作り替えられ、古くなったタンパク質は体外へ排出されます。では、そんな重要な役割を担うタンパク質が不足すると体にどのような影響が出るのかを、見ていきましょう。

①筋力が低下する

タンパク質が不足すると、人間の体は筋肉を分解することでエネルギーを得るように方向転換します。食事の量が減ると自ずとタンパク質が減り、筋肉の分解によって筋力が低下します。筋肉量が下がると、体を動かすことや外出に影響が出るため、心の健康にも関わってきます。

②髪のハリ・ツヤがなくなる

肌のハリと弾力の源であるコラーゲン、そして髪のハリ・ツヤ・の源であるケラチンはどちらも、タンパク質由来です。タンパク質が不足した場合、人の体はまず内臓の修復や維持にタンパク質を優先して使います。その結果、髪のハリ・ツヤの減少に繋がります。

③思考力が落ちる

思考力を保つ神経伝達物質、こちらも元はタンパク質です。なぜか集中力が落ちている、よく「最近ぼーっとしている」と指摘される…そんな状況が当てはまるなら、もしかするとタンパク質不足が一因となっている可能性もあります。

④疲れやすくなる

タンパク質不足の初期症状が、この疲れやすさです。「寝ても翌朝疲れが取れていない」、「日中もだるい、眠い」、こういった状態に心当たりのある方は、この後ご紹介する「70代男女の1日あたりのタンパク質摂取量の目安」で普段の摂取量が足りているかどうか、ぜひご確認くださいね。

⑤免疫力が落ちる

細菌やウィルスと戦う免疫細胞もまた、タンパク質によってできています。タンパク質が不足すると、こうしたウィルスなどから体を守りづらくなります。「よく風邪を引くようになった」と感じたら、一度タンパク質の摂取量を見直してみましょう。

参考URL:「シニア世代もタンパク質が重要!おすすめの食材と摂取する5つのコツ」(2022.03.31)、サカナのちから。

高齢者向けタンパク質

高齢者の食事に取り入れたい!タンパク質やカロリーの豊富な食材!

タンパク質の持つ役割や不足した場合の現象などが分かったところで、ここからは具体的に、高齢者が1日に取るべきタンパク質の目安量、そしておすすめの高タンパク食材に加え、おすすめの高カロリー食材も併せてご紹介します。「少量しか食べられないけれど効率的に栄養を摂りたい」「高齢者に足りない栄養素を補える食べ物を知りたい」という方、必見です!

70代の1日あたりのタンパク質摂取量の目安

ここでは、1日あたりの摂取カロリーが約1,600kcalとした場合に必要なタンパク質量を、具体的な食材で確認しましょう。

まず、卵・乳製品からは、卵1個、牛乳1〜2杯、ヨーグルト1個です。次に、肉・魚・大豆製品からは、薄切り肉3〜5枚、切り身魚1切れ、納豆1パック、豆腐1/6丁です。タンパク質の他、カルシウムや鉄分、ビタミンなども摂れる食材が多いです。

1日あたりのタンパク質摂取量の目安量は、「ご自身の体重 (kg) × 1.06(g)」の計算式で出すことができます。また、「毎食、手のひら1枚分の肉や魚」という分かりやすい目安もあります。ぜひ、ご自身に必要なタンパク質量の参考にしてみてください。

「こんなにたくさんの種類を調理して食べるのは大変」と感じられる方もいらっしゃるでしょう。目安に挙げた食材を例えば、納豆と温泉卵の丼や、切り身魚と豆腐の海鮮チゲなど、組み合わせると摂りやすくなります。

おすすめの高タンパク食材

ここからは、タンパク質の量が多いおすすめの食材をご紹介していきます。タンパク質の多い食品は、多いものから順に「魚介類→卵→肉類→牛乳・乳製品→大豆・大豆製品」です。では、各種類から、特にタンパク質の多いものをご紹介します。

魚介類

イワシ1尾…タンパク質19..2g / 鮭1切れ…タンパク質17.8g

卵1個…6.1g

肉類

生ハム100g…タンパク質24.0g  / 豚ヒレ肉100g…タンパク質22.2g

牛肉・乳製品

パルメザンチーズ100g…44.0g / 加工乳(低脂肪)1杯…7.5g

大豆・大豆製品

きなこ100g…35.5g/高野豆腐1枚…7g

いかがでしょう?馴染みのある食べ物があれば、ぜひ習慣的に摂り続けましょう。

参考URL:

タンパク質の含有量が多い食品・食材TOP15!肉や魚・野菜などは? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」 (gourmet-note.jp)

「タンパク質が多い食品を紹介。高タンパク食品を手軽に摂取!」 、MORINAGA。

おすすめの高カロリー食材

次は、カロリーもしっかり摂りたい高齢者の方向けに、少量でも高カロリーなおすすめの食べ物をご紹介します。高カロリーでも体に良いものを揃えているので、こちらも普段の食事の参考にご覧ください。

魚介類

鯖、サンマなど。タンパク質だけでなく、脳や血管の健康維持、抗がん作用のあるDHAやEPAといった成分が含まれています。

卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養をほぼ摂ることができる「完全栄養食」です。普段の食事に、様々な形で積極的に取り入れたいですね。

野菜

野菜の中でも、アボカドは約20%が脂質でできている、手軽に高カロリーを摂取できる食材です。含まれている脂質はいずれも血管の健康維持に必要な良質なものなので、安心して食べられます。少量で高カロリー、そして体に良いものを食べたい場合に、特におすすめです。

ナッツ

ナッツもアボカドの様に、良質な脂質が含まれている他、タンパク質や炭水化物、ビタミンやミネラルも摂ることができます。油や塩を使って加工しているものよりも、素焼きの方が健康にはおすすめです。

上に挙げた食べ物の多くはカロリーが多く含まれているだけでなく、高齢者の健康維持に必要な、血管を綺麗にする栄養素を含んでいるものです。無理なく食べやすいものを選んで、ぜひ日々の食事で摂ってくださいね。

参考URL:「高齢の人が摂りたい栄養・食品」、meiji。

「高カロリー高タンパク!健康的に太りたい人におすすめの食べ物7つ。太る食事法も」(2022.02.03)、readcare。

「高齢者に必要なタンパク質の摂取量 高タンパク食のメリットとリスクを解説」(2020.01.16)、介護予防チャンネル。

「毎日のタンパク質摂取が健康寿命のカギ」、eヘルシーレシピ。

高齢者タンパク質

身近な所で買えて調理も簡単、高齢者におすすめの高カロリー・高タンパク質の食べ物5選

最後に、少量でもしっかりと高タンパク、高カロリーな食べ物を選びたい高齢者の方へ向けて、近くのスーパーやコンビニなどで手軽に手に入る上に調理が簡単な食べ物を5つご紹介します。

①ゆで卵

お家でも勿論作りやすいですが、どうしても面倒な時にはコンビニで売っているゆで卵を使うのも1つの方法です。タンパク質だけでなく多くの栄養が摂れる上に、1個で満腹になる優れものです。

②甘酒(米麹)

米麴で作られた甘酒は、「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養が豊富です。炭水化物の他、タンパク質の元であるアミノ酸、ビタミンB群、食物繊維などが含まれています。米麹の甘酒にはアルコールが含まれていないので、体質的にアルコールがダメな方も安心して飲むことができます。

③サバの水煮缶

1缶あたりタンパク質27.3gという高タンパクな上に、脳や血管にも良いサバ。そんなサバの水煮缶は、手軽に魚を食べたい時の強い味方ですね!トマトなどと一緒に煮込んだり、生姜と醤油を使って炊き込みご飯にしたりと、サバの水煮缶を使ったレシピは、インターネット上でたくさん見つけることができます。使い方に困ったら、ぜひ「サバ水煮缶 レシピ」で調べてみましょう!

④サラダチキン

高タンパクで脂肪分が少ないサラダチキンは、今やコンビニでもスーパーでもよく見掛けます。味も、プレーンやハーブ、スモークなど、様々な種類があります。食べやすい大きさに切ったり裂いてサラダに入れるも良し、スープや炊き込みご飯などに入れても、また、適度な大きさに切ってパン粉をまぶしてフライにしても美味しく食べられます。低脂肪で高タンパク質の食べ物を選びたいご高齢の方に、ぜひおすすめの食品です。

⑤カツオ

身近なところで買える高タンパクな食べ物、最後にご紹介するのはカツオです。サバ同様、タンパク質だけでなくDHAやEPAが摂れる他、鉄分も摂ることができます。「何だか疲れやすい」という方の中には、隠れ貧血という、体内の鉄分の蓄えが少ない状態の方もいらっしゃいます。「疲れやすいな」と感じる日には、カツオのたたきがおすすめです。

参考:

「少量で栄養価の高い食べ物とは?10種類紹介!コンビニOK。子供の栄養アップにも」(2022.05.30)、readcare。

「管理栄養士が厳選!気軽にとれるタンパク質が多い食べ物ベスト10」(2019.01.17)、アスドリファクトリー。

高齢者向けタンパク質

適切な量のタンパク質や良質なカロリーを上手に摂って、健康なシニアライフを!

食べる量が少ないご高齢の方へ向けて、高タンパク質・高カロリーを摂取できる食べ物をご紹介してきました。必要摂取量の目安はデータによっても分かれるので、まずは「毎食手のひら1枚分」や、きなこや高野豆腐、卵など、ご自身が無理なく取り入れやすいものを選んでみてください。

また、摂取量が少ないと上記に挙げたように筋肉の衰えや疲れなどに繋がりますが、逆に極端に食べすぎると、肝臓や腎臓への負担、カロリーオーバー、尿管結石のリスク、腸内環境の乱れに繋がります。「食べすぎず適度に」を心掛けて、毎日の食事に取り入れましょう。